Oxford Bookworms レベル1~6【おすすめ20選】

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英語多読にとり入れたいオックスフォードのGR(Graded Readers=段階別の読み物)

私の17年の多読歴の中で少しづつ買い集めたOxford Bookworms Libraryの中から、面白かったものを厳選してご紹介します。

またGRのみを読んでいる社会人の方も多いかもれませんが、これだけを読んではいけない理由がありますので合わせて解説します。

もくじ

コツコツ集めた56冊

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2008年から始めた多読で少しづつ買い集め、数えると56冊になっていました。

私の本棚にある56冊のタイトル一覧はこちら。
ハズレだと思ったものはほぼ無かったので、下記の20選以外にも気になるものがあれば読んでみて下さい。

GRは各出版社が出しているものがいくつかありますが、個人的にはオックスフォード大学出版局のものが一番おすすめ。

ストーリーの完成度の高さだけでなく、美麗な押絵や触り心地の良い紙質(これも実際にこだわって作られているそう)、すべてのクオリティが高いです。
表紙がシンプルでお洒落なのも、手に取る時の気分が上がります。

Oxford Bookworms STAGE1 おすすめ5冊

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STAGE1のレベル的には、ネイティブ向け絵本にも慣れてきて児童書を読み始める頃にスタートしてみて下さい。
英語多読のやり方でご紹介したものも一部含まれています。

A Little Princess
総語数5840


A Little Princess

7才の時に裕福な父に連れられてロンドンにやってきたサラ。
新しい学校に馴染めずにいた彼女だったが、少しずつ友達ができ始めていた。
だが11才の誕生日に悲劇が起きる。
今、サラは家族も家も1ペニーのお金さえ失ってしまった。

挿絵が独特の雰囲気があり可愛い。
挿絵が素敵だとイメージを膨らませやすいので、本を選ぶ時の目安にしても良いですね。

The Elephant Man
総語数5400


The Elephant Man

彼の見た目は普通の人とは違った。
母親は彼を拒絶し、子供たちは彼から逃げ出した。
人々に笑われ、つけられた名前は
「エレファント・マン」。
しかし彼が27才のとき人生で初めての友達を見つける。

映画化もされた事実に基づいた悲しい物語。
こちらも押絵が緻密で綺麗です。

The MONKEY’S PAW
総語数4900


The Monkey’s Paw)

願い事を3つ叶えてくれるという「猿の手」を手に入れたMr.White。
だがその願いは悲惨な結果をもたらすのだと忠告される。
愛する妻も息子もいて何も望むものは無いと思っていたMr.Whiteは何を願うのか。
そしてその結末は…。

The Coldest Place on Earth
総語数5500


The Coldest Place on Earth

1910年、初の南極点到達を目指してそれぞれ出発したイギリス人探検家のロバート・スコットとノルウェー人探検家のロアール・アムンセン。
しかし地球で最も寒い南極での旅は長く過酷なものだった。
これは歴史上最も危険なレースとなった二人の探検家の物語である。

Titanic FACTFILES
総語数5529


Titanic

あの「タイタニック号」がいかに素晴らしい客船だったのか、そして沈没に至った経緯、タイタニックの生存者たちは現在どうしているのか等、豊富な写真と共にその歴史を学べます。
映画のファンの方にとってはとても興味深い内容です。

こちらはOxford Bookworms LibraryのFACTFILESというシリーズ。
ノンフィクションの題材を扱っています。

Oxford Bookworms LibraryはSTAGE1の前にSTARTER(スターター)というレベルがあります。
多読を今から始めるという方に適したレベルですので、STAGE1が読みにくい方はSTARTERを試してみて下さい。

Oxford Bookworms STAGE2 おすすめ5冊

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STAGE2は、易しい児童書と平行して読んで下さい。
有名なミステリーのリライト版など読み応えのあるものが増えてきます。

The Death of Karen Silkwood
総語数5585


The Death of Karen Silkwood

これはカレン・シルクウッドの死にまつわる物語。
カレンは何かを私たちに伝えようとしていた。とても重要な何かを。
それを成し遂げる前に彼女は死んでしまった。
なぜ彼女は死ななければならなかったのか?私たちは、本当は何が起きたのか知ることはあるのだろうか?

1970年代に核燃料製造所で働いていたカレン・シルクウッドに実際に起きた悲劇。
メリル・ストリープ主演で映画化されています。

The Canterville Ghost
総語数6100


The Canterville Ghost

300年にわたり幽霊に憑りつかれているという屋敷を買い取ったアメリカ人家族。
屋敷の幽霊は新しい持ち主とその家族を怖がらせる為に計画を練るが、アメリカ人家族は幽霊を恐れるどころか、むしろ面白がっている。
特にうるさい盛りの小さな双子たちは、幽霊よりもいたずらが1枚上手。
幽霊Canterville Ghostを待ち受けているものは…。

読んでいるうちに幽霊がだんだんと可哀そうになってきます…(笑)

The Love of a King
総語数6150


The Love of a King

彼がただ願うのは、愛する人と結婚する事。
イギリス国王だったエドワード8世は、平民である女性と結婚する為に国王の座を下りた。
愛に生きた1人の男性の物語。

実は私はこの本を読むまでエリザベス2世女王の父親が次男だという事を知りませんでした。
長男であったエドワード8世が王座を下りなければ、今の英国王室は全く違うものになっていたのだと思うと感慨深いです。

New Yorkers Short Stories
総語数5895


New Yorkers

20世紀の初めニューヨークに住んでいた人々は、現代人とは違ったのだろうか?
裕福な人、貧しい人、幸せな人とそうでない人、愛を見つけた人と愛を探している人。
街はその頃にくらべて遥かに発展したが人々の本質は変わっていない。
有名な「賢者の贈り物」をはじめとした5つの物語からなるオー・ヘンリーの短編集。

The Murders in the Rue Morgue
総語数6995


Murders In The Rue Morgue

エドガー・アラン・ポーによる「モルグ街の殺人」リライト版。
ある密室で起きた惨殺事件。
多数の証言者が事件当時に何者かの声を聞いていたが、ある者はそれはフランス語だったと言い、ある者はイタリア語だった、またある者はスペイン語だったと証言した。
謎が深まる事件の真相とは…。

Oxford Bookworms STAGE3 おすすめ4冊

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このレベル辺りから1冊の総語数が1万語を越すものも出てきます。
合わないものはすぐに止め、次に行きましょう。
合間に以前読んだものや、易しい本を挟むとスピード感を思い出せます。

「ネイティブ向けの児童書をメインに沢山読みつつ、GRをサブで」
という進め方がおすすめです。

Skyjack!
総語数8685


Skyjack!

とある旅客機がハイジャックされた。
首相がその旅客機の乗客リストを見ていたとき、戦慄が走る。
そこには首相がよく知る名前が載っていた。とてもよく知っている名前が…。

Love Story
総語数8755


Love Story

裕福でスポーツマンのオリバーと貧しいミュージシャンのジェニーは出会い、恋に落ちる。
二人は結婚し、真面目に働き、人生を楽しみ将来の計画を立てていた。
その矢先、二人は残された時間があまり無いのだという事を知る。

Chemical Secret
総語数10150


Chemical Secret

その仕事はあまりに待遇が良すぎた。
ジョン・ダンカンは養うべき家族があり、お金が必要だった。
上司は彼の事情を知っており、ダンカンがNOと言わない事を分かってそれを利用する。
彼は正直な人間だが、この仕事では正直な人間である事は許されない。
その仕事は毒のように彼を盲目にし、手遅れになるまで真実に気づかせなかった…。

A Christmas Carol
総語数10385


A Christmas Carol

チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」リライト版。

「クリスマスなんてくだらない!」
スクルージにとって大切なのは、自分のビジネスとお金を稼ぐこと。
事務員のクラークを薄給でこき使い、寄付や人を助けるなんて事はこれっぽちも考えない強欲なイヤな奴だった。

だがクリスマスイブの日、3人の精霊がスクルージの元に訪れる。
その精霊に連れられ、過去・現在・未来をめぐる不思議な体験をしたスクルージは、忘れられない大切な事を学ぶのだった。

Oxford Bookworms STAGE4 おすすめ2冊

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有名な古典のリライト版も増えてきます。

Dr Jekyll and Mr Hyde
総語数12520


Dr Jekyll & Mr Hyde

ロバート・ルイス・スティーヴンソンによる「ジキル博士とハイド氏」リライト版。

日が落ちて薄暗くなってきたロンドンで家路を急ぐ。
狭く静かな路地に入ったとき、1つのドアが開き1人の男が出てきた。
その男を見た瞬間、あなたは嫌悪感を抱く。
「この男は一体誰だ?なぜ彼は、みんなから尊敬されるジキル博士の研究所から出てきたんだ?」

ややアメコミ風のコッテリした押絵ですが強烈に印象に残ります。面白い!

Silas Marner
総語数16065


Silas Marner

ジョージ・エリオットによる「サイラス・マーナー」リライト版。

機織りのサイラスは、夜な夜な床下に隠した金貨を取り出しては何度も数えて愛でていた。
彼は家族も友達もなく、金貨だけが唯一の友達だった。

もし誰かがサイラスの金貨を盗んだら、彼はどうなるだろう?
唯一の友達であった金貨の代わりに、一体何が彼を慰めてくれるのだろうか。

Oxford Bookworms STAGE5 おすすめ2冊

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I, Robot
総語数22500


I, Robot – Short Stories

アイザック・アシモフによる短編集「I, Robot」のリライト版。

1940年代にアシモフがこの物語を書いたとき、多くの人が
「ロボットが人間の代わりに多くの仕事をするようになる」
という彼のアイデアを笑い飛ばした。

でも今日では、弱く頼りにならない人間の代わりに多くのロボットが仕事をしている。
私たちのロボットは人間の様に考えたり、決断を下したりはできない。
しかしアイザック・アシモフの世界では…。

Do Androids Dream of Electric Sheep?
総語数31300


Do Androids Dream of Electric Sheep?

フィリップ・K・ディックによる「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」リライト版。

空が放射性の塵に覆われた未来の世界。
人類の大半は火星に移り住んだが、地球に留まった人々はロボット動物(電気動物)をペットとして飼っていた。
ほとんどの生物が死滅してしまったからだ。

電気羊を飼っている賞金稼ぎのリック・デッカードは、火星から逃げ出した6体のアンドロイドを始末する様に依頼される。
彼らは機械だが、人間そっくりの見た目で、人間の様に話し、賢く…そして危険だ。

こちらは映画「ブレードランナー」の原作としても有名ですね。

Oxford Bookworms STAGE6 おすすめ2冊

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Oliver Twist
総語数26560


Oliver Twist

こちらもチャールズ・ディケンズによる「オリバー・ツイスト」リライト版。

1930年代のロンドン。
10才のオリバーは家族も友達も帰る家もない孤児だった。
一切れのパンを買うお金さえ無かったオリバーだが、ある日友達ができる。
彼らはオリバーに食べ物と家を与え、ある「ゲーム」を始める。

オリバーが彼らが何者なのか、そしてその「ゲーム」が一体何なのかという事に気づくのに、そう長い時間はかからなかった。

Cry Freedom
総語数29420


Cry Freedom

デンゼル・ワシントン主演の映画「遠い夜明け」のノベライズ。

アパルトヘイト下の南アフリカ共和国で政府と戦った黒人解放活動家スティーヴ・ビコの物語。
当局は彼の事を「暴力的で革命を望み、ハンガー・ストライキで命を落とした」と主張した。
ではなぜ黒人と白人の平和的な調和を求めた彼が、全身を砕かれあざだらけで死ななければならなかったのか。

これは真実を求め、自由を叫び死をも恐れない人々の事実に基づく物語。

GRだけを読むのは危険

簡単な英語で大人向けのストーリーが楽しめるGRですが、実はこれだけを読むのは危険です

GRはレベルごとに語彙や文法が制限された下で書かれています。
分かりやすく言うと、

外国人向けの日本語の教科書のような言葉

で書かれていると思って下さい。
文法的には正しいけれど、日本人が実際に話したり書いたりする言葉とは結構違いますよね。GRの文章もそんな感じです。

実際に使える英語力をつけたい、大人向けの洋書も読める様になりたいと考えているのであれば、ネイティブの「生の英語」に常に触れている事が大事です。

「生の英語」とは、ネイティブがネイティブに向けて発信しているもの。
つまりネイティブ向けの児童書、ヤングアダルト、大人向けの本などをメインに読む必要があります。

GRはあくまでサブで読むと効率的に英語力をつけられます。
詳しくは英語多読のやり方でも解説していますので、よければご覧下さい。

1冊はどれくらいで読み終わる?

総語数が3000語の本と3万語の本では10倍の長さがあるので、1冊をこれ位の時間で読むという事は言えません。
では何を目安にするかというと、分速あたりの単語数です。

例えば分速100語というのは、「1分で100語読める」という事です。
その場合、

・総語数3000語の本は30分
・3万語の本は300分(5時間)

で読めるという事になります。

最初の頃は読むスピードがかなりゆっくりだと思いますが、気にしないで下さい。
多読で分速を気にしすぎるのは良くないので、楽しめていればオッケーです。

私の個人的な感覚では、目標はひとまず分速150語くらいを目指すとよいかと思います。
それくらいのスピードで読めれば、大人向けの分厚い本でも挫折せずに読み切れます。

またTOEICのリーディングパートを時間内に終わらせるのに必要なスピードは分速150語だと言われています。

ここで1つ読書の際のちょっとしたコツを。

早く読み終わりたいからと無理して長時間ぶっ通しで読まないことです。
集中力を保てる時間は意外と限られているので、疲れたなと思ったら5~10分の休憩を挟んだ方が効率よく読めます。

無理して読んでいると、スピードも落ちてくるのでおすすめしません。

私の場合、読書していると25分位でフッと集中力が切れる時があるので、切りの良いところで栞を挟んで休憩します。

GRの選び方

洋書では大抵、本の裏表紙に概要が載っています。
GRの裏表紙にもストーリーの概要のほか、総語数、見出し語などの情報が載っています。

GRを選ぶ時はまず裏表紙の内容を読んでみて下さい。
それで興味をそそられたら中身をパラパラとめくって読めそうか確認をしましょう。

総語数と見出し語とは

総語数と見出し語は混同しそうになりますが、以下の違いがあります。

総語数(Word count)
1冊の本の全ての単語数。同じ単語が出てきてもそれぞれカウントします。

見出し語(Headwords)
その本に使われている語彙レベル

終わりに

「児童書じゃなくて大人向けのストーリーが読みたい!」
「でも難しい英語は読めない!」
となった時にGRは最適な読み物です。

ただ同じレベルでもかなり読みやすさに違いがあるので、心に留めておいて下さい。
(例えばThe Coldest Place on EarthはSTAGE1の中では難しめです)

GRはオーディオブックの素材も豊富なので聞き読みにもチャレンジしつつ、ネイティブ向けの本と合わせて多読の世界を広げてみて下さいね。

多読を実践中の方はぜひ
英語多読の効果
も参考にして下さい。

お読みいただきありがとうございました。

Nachi
中3の時の私の英語力は中1。
英語が嫌いなまま大人になりました。

社会人になってからは「大好きなミュージカルをブロードウェイで観たい」→よし英語や!
という単純な動機で英語学習をスタート。
直後に多読と出会う。

叶うなら本を読むだけの毎日を送りたい。
洋書とコーヒーを求めて日々梅田界隈を彷徨っています。
梅田ダンジョン完全攻略者。多読歴17年。


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