好きな英語の歌を真似してただけで発音が爆上がりした【ただの趣味】

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好きな洋楽をひたすら真似してただけで発音が劇的に変わったお話を紹介します。

私は発音方法のプロでもなんでもありませんが、
「英語の発音を改善したい」
という多くの方へ少しでも参考になれば幸いです。

当時の私のスペックは以下です。

・英語力中1レベルの社会人
・文法力→I have a penは分かる
・発音→ゴリゴリのカタカナ発音で時が止まっている

そんな私の発音が爆上がりしたお話です。

もくじ

きっかけは可愛すぎるアリエル

英語学習者あるあるで恐縮なのですが、初めのきっかけはリトルマーメイドの「Part of Your World」があまりに好きすぎて、

「あの可愛いアリエルのように完コピして歌えるようになりたい!

と思い立ったことが始まりです。

子供の頃に好きすぎて日本語版を暗唱してしまうほど歌っていました。

英語版を完コピするのにまず取り掛かったのは、英語の歌詞の意味をもう一度確認するところから。
日本語版があるとはいえ、歌詞はかなり意訳になりがちなので。

分からない単語を調べ、歌詞の意味を把握します。
可能であれば歌詞をプリントアウトして書き込むのが良いと思います。

歌いながら歌詞と意味を同時に確認でき、頭にすんなりと入ってくるのでオススメの方法です。

歌詞の理解について

歌詞というものは詩的な表現になりがちです。
歌詞だけ見たらネイティブでも
「何を言おうとしてるのか分からん」
となる曲もあるみたいなので、映画本編のストーリーから想像を膨らませるのは大切です。

ただ、めちゃくちゃ正確に知ろうとしなくていいです。
詩的な歌詞は解釈も人によってそれぞれだと思うので、自分が納得できればよしです。

歌詞の意味が頭に入ったら、あとは声に出して歌うのみです。

うまく真似するコツは

CD(当時)を聞いて、聞こえるそっくりそのまま口から音を出します。
(今はYouTubeや音楽のサブスクがあるので便利ですね)

大事なのは、

英語のつづりに発音を引っ張られないこと

自然な英語の発音は前後の単語の音が繋がったり、音が落ちたり、つづりからは想像できない様な音になります。

例えば、Part of Your Worldの歌詞は
「Look at this stuff,」
から始まりますが、アリエルは
「ルック アト ディス スタッフ」
とは言ってません。

聞こえてくるままカタカナにするとすれば、
ルッカーディ スタッ
のような感じになります。

発音の知識はとりあえず置いておいて、自分の耳に聞こえたままオウム返しします。

音だけ聞いてマネをするでも良いのですが、意味が分からないままだと難しいので歌詞は見ながらの方が良いです。

また歌詞を見ながら聞いていると、
「あ、今 ”t” を発音しなかった」
と色々と気づけるのでより理解が深まります。

ガイドを書き込む

曲中では一拍おいて遅れて歌いだす部分や息継ぎ、前後で繋がる音など把握しておくべき箇所が出てきます。
そういった所も歌詞の用紙に書き込んでいきます。

私が実際に書き込んでいたものがこちら。

※Part of Your Worldの歌詞ではありません

引用(左):There’s a Fine, Fine Line (Avenue Q)  引用(右):Someone Like You

大体以下のルールで書き込んでた様です。

( ) : 複数の単語をすばやく発音するところ
← : 歌いだしが1テンポ早いところ
○ : 歌いだしが1テンポ遅いところ
矢印↗↘→ : 音程が上がる、下がる、保つ
/ : 息継ぎや伸ばす箇所
消える音や繋がる音もチェック

分かりやすく「and you’re」を「アンジョオ」と書き込んでいる所もありますね。
自分が引っ掛かりやすい所のガイドとなるので、これを見ながらだと更に歌いやすくなります。

始めの頃は
「今なんて言った?」
となる箇所だらけだとは思いますが、分からなかった所は何度も繰り返し聞きなおし、同じように言えるまで声に出してみます。
もしスローで再生できる機能があればやりやすいかもしれません。

これを1センテンスごとに繰り返して進んでいきます。
慣れてくるまでは歌うスピードはめちゃくちゃゆっくりだと思いますが気にしないで下さい。

1センテンスごとに進んで1段落を終えたら、今度は1段落を通しで歌ってみます。
ゆっくりで良いので、ぶつ切れにならない様メロディーの流れに乗って歌ってみます。

こんな感じで歌える部分を少しづつ長くしていきます。

シーンを頭にイメージして歌う

選ぶ曲は自分の好きなものなら何でも良いのですが、私のおすすめはミュージカルの曲です。

なぜかというと、ミュージカルの曲はその場面のイメージがそのまま歌詞になっているからです。

英語の歌詞の理解がふんわりとしていても、映画(舞台)の場面が頭に浮かんできて、自分が今なにを言っているのかが把握できます。

そうすると自然に歌声に感情がこもり、分からなかった単語の意味もすんなりと頭に定着していきます。

また好きな曲は何度も口ずさみますよね。
その度に単語のおさらいをしている様なものなので、語彙もがんばらずに定着していきます。
まさに一石二鳥なのです。

自分の声を録音してみる【恐怖】

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さて、ゆっくりながらも一曲マネして歌える様になり、我ながら良い感じじゃん?と思える仕上がりになってきました。

この段階ですでにカタカナ発音からはかなり脱却できていると思います。

でももっと高みを目指したい。もっと発音を改善したいあなたには、恐怖の
【自分の歌声を録音して聞いてみる】
をおすすめします。

「自分の英語を聞く」というのは多くの日本人英語学習者にとっては恥ずかしく恐ろしい事だと思いますが、これをやるとホントーに劇的に改善します。

自分の歌声を聞いてみて
「なんかCDと違う」
と感じるのは、”L”と“R” や “th”など、日本人がニガテとする音が原因の場合が多いです。

自分の弱点にダイレクトに気づけるので効率的。
この辺りで発音が難しい音のテクニックなどを調べてみるのも良いですね。

あとはCDの歌声と自分の歌声が同じように聞こえるまで練習します。

録音だけでは飽き足らないあなたへ

自分の口の動きを確認したかった私は、鏡を見ながら歌ったりしていました。

更にそれだけでは飽き足らず、歌っている様子を動画で撮ってみようと思いたったのです。

自分が英語を発話している様子を見るのは、音声で聞くのとは遥かに違う次元で恥ずかしかったのですが、ネイティブの口の動きとの違いがはっきりと分かります。

恥ずかしさに耐えられる貪欲なあなたにおすすめの方法です。

RとLの違いが自然と身につく

私の体験談として、”L”と“R” の違いが自然に身についたという点があります。

その時完コピしようとしていたのは、ミュージカルHairsprayの
「Good Morning Baltimore」

歌詞に何度もBaltimore(都市名)が出てくるのですが、自分の発音と主人公トレイシーの発音が違う。何かが決定的に違う。

しかもサビの部分なのでどうしてもトレイシーみたいに気持ちよく歌いたい!
そう思った私はとにかく何度も練習し、原因はどうもBaltimoreの”L”らしいという事が分かりました。

そして
「舌を上げるとそれっぽく聞こえるぞ!?」
という事を発見します。

“R”の発音は舌をすぼめるという事はぼんやりと知っていたので、”L”と“R” の違いを意識しつつトレイシーの歌声をマネしていると、見事にBaltimoreが発音できるようになりました。

”L”の発音は舌を上の前歯の付け根に当てる
なんて事は英語学習者の皆さんはご存じだと思うのですが、中1で時が止まっている私の頭からは抜け落ちていました。

そんな訳で、好きな歌を歌えるようになりたいという一心でひたすらマネしていたら、”L”と”R”の発音の違いも自ら発見し、身につける事が出来たのでした。

「発音できる」は「聞き取れる」

好きな曲をどんどんマネして歌ってみましょう。
上手にマネできる音もどんどん増えていくはずです。

そうするととてもステキなもう一つの効果を得られます。
自分が発音できる音は聞き取れる音になるのです。

リスニングというのは、ただ「耳が良い」という訳ではありません。
聞くだけではなく、発音を口に出してみて実体験をもって分かっているというのはとても大事です。

「ネイティブのマネをして言ってみる」
というのは、リスニング力の向上にも大きく貢献するのです。

番外編 : 歌手が歌っている動画を見よう

最後にYouTubeを使ったおすすめのやり方を紹介します。

アニメーションであればその曲のレコーディングの動画、ミュージカルであれば実際のミュージカルの動画などがYouTubeで見つかる場合があります。

歌手が実際に歌っている口の動きを確認できるので、真似をするのにとても参考になります。
あと好きな曲だと単純にめっちゃ楽しいです。

歌を担当した歌手本人の動画が見つからなくても、他の歌手がカバーしているものが見つかったりするので是非探してみて下さい。

アラジンのA Whole New Worldのレコーディング風景などは数えきれないほど見ています。

私はジャスミン役のレア・サロンガの大ファンなのですが、彼女について語り始めると止まらないのでまた記事にしようと思います。

まとめ : 洋楽を真似して歌う効率的な方法

【私が実際にやった方法】
・歌詞を紙に印刷する
・分からない単語の意味を書き込み、歌詞を理解する
・音源を聞いて聞こえたまま発音する
・難しい所はガイドを書き込む
・音源を何度も聞いて繰り返す
・自分の歌声を録音して、音源と同じように聞こえるまで練習する
・YouTubeを活用する

これはあくまで私の方法なので、この通りにする必要はありません。
あなたのやりやすい方法が見つかればそれでどんどん進めていって下さい。

もちろん耳で聞いてただ真似するだけでも十分です。
一番シンプルで取り掛かりやすい方法ですね。

劇的に変わった発音

私が洋楽の真似を始めたのが2006〜7年頃だと思います。

当初の取り憑かれたような情熱の嵐は過ぎ去ったものの、今でも自分の歌声を録音しては聞いてみています。

「劇的に変わった」
とは言っていますが、数値にして評価できるものではないので、さぁ御覧くださいといった物をお出しできないのが恐縮です。

「当初は違和感ありまくりだった自分の歌声が、かなり音源の歌声に近づいている」(と思っている)

という事実のみです。スイマセン。

あとはニューヨークに旅行した時、Waterさえまともに通じずレストランで水が貰えなかった私ですが、今は外国の方と話していても聞き返される事はほとんど無くなりました。

※その時の可哀想な私とウェイター

私:「えくすきゅーずみー、うぉーたぁ ぷりーず」
ウェイター: 「What?」
私: 「うぉーたぁ!」
ウェイター: 「Um…I’m sorry I don’t understand.」
私: (え?!水やん!うぉーたぁやん!)
「うぉーたぁ!うぉぅたるぁ!」
(Rを発音しようとめっちゃ巻き舌)
ウェイター: 「……」(めっちゃ困った顔)

ウェイターが可哀想ですね…!

歌うのが好き、洋楽好きは超ラッキー

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英語を向上させるには「とにかく続けること」が一番大事です。

3か月英語の勉強を超がんばった、でもその後続けないと同じスピードで忘れていきます。

何よりも高いハードルは、ゆる~くでも「ずっと続けること」です。

その「ずっと続けられること」とは
言われなくてもついやってしまうこと」です。

私は歌うことが好きです。ミュージカルが大好きです。
英語の曲を真似して歌ってみようと思ったのも、ただの趣味で単純に楽しいからでした。

歌う事が楽しくもなく、誰かにやらされていたら絶対に続けるのは無理だったと思います。

なので英語を勉強しているあなたがもし歌う事や洋楽が好きなのであれば、超ラッキーです。

そうでなくても英語で歌ってみる事が案外面白かったりするかもしれません。
「趣味」になってしまえば勝ったも同然です。(断言)

真似して歌ってみる。
ぜひトライしてみて下さい。

Nachi
中3の時の私の英語力は中1。
英語が嫌いなまま大人になりました。

社会人になってからは「大好きなミュージカルをブロードウェイで観たい」→よし英語や!
という単純な動機で英語学習をスタート。
直後に多読と出会う。

叶うなら本を読むだけの毎日を送りたい。
洋書とコーヒーを求めて日々梅田界隈を彷徨っています。
梅田ダンジョン完全攻略者。多読歴17年。


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